ステンレス多層構造鍋とは
ステンレスにアルミニウムや鉄、銅などの金属をはさんで多層構造にした鍋のことです。「温まりにくく冷めにくい」ステンレスで、「温まりやすく冷めやすい」アルミニウムなど素材を挟み込むことでそれぞれの短所を補い合っています。
なお、鍋の底面のみが多層構造化された「底面多層構造鍋」と、側面を含め全体を多層構造化した「全面多層構造鍋」とに分類されます。
ステンレス多層構造鍋のメリット
熱効率がよく、温まりやすく冷めにくいのが多層構造鍋の長所です。熱の伝わり方も均等でムラが少ないため焦げ付きが起きにくいです。
これらの特長を利用することでお肉やお魚などを素材の持つ油だけで調理する「無油調理」が可能となります。
また、蓋が密着するタイプの鍋を使えば「無水調理」が可能となり、素材の栄養素を逃さず調理することができます。
ステンレス多層構造鍋のデメリット
元々のステンレスに加え、圧着させている金属の重量が加わるため、層が多く厚みが増すにつれ重くなります。腕力に自信のない方は、洗浄時や収納時の取り扱いに注意が必要です。
ビタクラフト(アメリカ)
ビタクラフトの製品の特徴であるアルミニウムとステンレスを重ね合わせた多層構造は、宇宙工学の分野においてロケットの部品用に異なる金属同士を高熱で圧着させる技術を原点としています。
この多重構造の鍋は「熱しやすく冷めにくい」という優れた熱効率により、無水調理、無油調理など様々な調理法に適しています。
ジオプロダクト(宮崎製作所 日本)
ジオプロダクトの鍋は、全面7層構造の高品質なステンレス鍋で、無水調理やオーブン調理にも対応する汎用性の高さが魅力です。また、見た目の特徴として、鍋の表面も内側も磨かれてピカピカで、汚れが付きにくい効果があります。ジオ・プロダクトは、日本で生まれたステンレス多層鍋のシリーズで、料理研究家や厨房などのプロの現場でも使用されています。
フィスラー(ドイツ)
フィスラーのステンレス多重構造鍋は、全面3重構造になっているため、耐久性が優れていて丈夫で錆びにくい工夫がされているのも魅力の一つです。また、ステンレス鍋の最大の特徴は熱伝導率が低く、保温性や保冷性が高いことです。フィスラーのステンレス鍋は、IHを含むどんな熱源の調理にも対応しています。
クリステル(フランス)
クリステル社のステンレス多重構造鍋は、アルミをステンレスで挟んだ3層構造の厚い底が特徴で、熱伝導性が非常に優れているため、肉や魚などの素材全体にしっかり熱が伝わります。また、取っ手が取り外し可能で、コンパクトに収納できることも特徴の一つです。
ツヴィリング社(ドイツ)
ツヴィリング社の多重構造鍋は、ステンレス鋼とアルミニウムを組み合わせた3層構造で、熱伝導性が高く、素早く均一な加熱が可能です。また、内側には耐久性に優れたフッ素樹脂加工が施されており、食材がこびりつきにくく、お手入れも簡単です。さらに、取っ手が取り外し可能で、コンパクトに収納できることも特徴の一つです。